日本人は何を選び、何を捨てていくのか?  福島原発事故その後(1)

以下の記述は原発事故後の原発に関する様々なニュースを新聞・雑誌・テレビ・ネット上で見聞したものを備忘録として個人的に記録。それを再編したものです。ニュース源に関してはこの編集終了の時点で末尾に掲載する予定です。原発は最先端の科学技術を象徴するものです。同時に、福島第一原発事故は古くて新しい問題、文明の進歩と自然の関係を我々に問いかけている・・・そう思っています。

 

2011年3月11日14時46分

三陸沖でマグニチュード9の地震が発生。1時間後,巨大津波が三陸海岸を襲う。福島・宮城・岩手などを中心に東北北関東は壊滅的打撃を受ける。死者・行方不明者・負傷者は約25,000人。被害総額は推定約15兆~25兆円。阪神淡路大震災の約10兆円を大幅に上回る大災害となった。

この地震と津波によって福島第一発電所は致命的ダメージを受ける。福島第一原子力発電所の1・2・3号機、同じく第二原子力発電所の1・2・3・4号機は自動停止。第一原発の2号機の冷却装置は故障。メルトダウンの恐れが強まり原子力緊急事態宣言が発令。半径20km以内の住民に避難命令が出された。

 

3月12日15時36分1号機が水素爆発。

3月14日午前11時3号機が2回、水素爆発を起こす。

 

国際原子力事象評価(INES)によれば福島原発事故はレベル7とされ原子力事故災害としてはチェルノブイリ原発事故と同レベルである。

 

【20011年3月~12月までの原発に関する主なニュース】

 

3月29日

管政府は東日本大震災のがれき処理は全額国費で賄うと発表。

 

4月8日

政府は約762億2800万円の特例交付金を東日本大震災の被災自治体に対して現金交付。このうち56億8600万円は被災地域に一定以上の応援をした自治体に交付された。

 

4月8日

東電は福島第一原発の集中廃棄物処理施設の汚染水約8000トン、および5・6号機の設備にたまった放射能汚染水1500トンを海に放出。この汚染水は国が海水について定める基準の約1000倍のセシウム131が含まれていると発表。

 

5月1日

岩手労働局は岩手県内で、3月中旬~4月末だけで休業・失業した人の数が1万8934人にのぼると発表。

 

7月19日

金融庁は東日本大震災に関連する保険・共済金の支払い見込み額は2兆7000億円にのぼると発表。阪神大震災で支払われた額は2000億円以下。今回の震災が空前の規模だったことを改めて認識させる数字となった。

 

7月19日

放射性セシウムに汚染された稲わらを餌としていた肉牛の汚染が発見されて以来、福島県は出荷の自主制限を農家に呼び掛けていたがイオングループはすでに4月、5月に弁当用として汚染肉牛を使用販売していたと発表。これをうけて、原子力災害対策本部は出荷制限を行うべく農水省・厚労省・福島県などで最終的な協議に入ったと発表。

 

7月25日

秋田県のホームセンターで販売されていた栃木県産の腐葉土から1万1000ベクレルのセシウム汚染が検出。農水省は17都道府県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野・静岡)で作られた肥料について使用・生産・流通を自粛するよう全国の都道府県に求めた。

 

8月1日

東電は1号機と2号機付近で屋外最高値となる10シーベルト以上を計測したと発表。また2日には1号機屋内で5シーベルト以上を計測したと発表。どちらの値も以上としているのは測定器の限界を振り切ったためとしている。ちなみに1999年東海村の臨界事故では6シーベルトを浴びた作業員がその後多臓器不全で死亡している。

 

8月4日

福島第一原発で働く作業員の労働条件について日弁連がシンポジウムを開いた。東電から支払われている日当は一人当たり10万円だが、現場で働く作業員が最終的に受け取る額は8千円のケースが多いという。何層もの下請け構造が原因だが、学歴・年齢・経験等は一切不問で原発作業員としての資格制限は設けられていない。このような状態で汚染除去作業に現場作業員は本当に適切な行動をできるかと疑問を提起した。

 

8月16日

福島第一原発から100kmの距離にある福島地裁会津若松支部の敷地内の側溝から18万6千ベクレルの放射性セシウムが検出されたと同地裁が発表した。

 

【前橋市】汚泥の溶融施設 放射線量高く『周辺が「放射線管理区域」に指定されている』
http://savechild.net/archives/7190.html

 

8月23日

千葉県の酪農家が作った堆肥から高濃度のセシウムが検出された。堆肥の基準値は400ベクレルだが、今回は千葉市、銚子市の農場16か所から500~600ベクレルのセシウムが検出。今回の検査結果をもとに、千葉県は酪農家に堆肥の流通自粛を求めているが、あくまでも自粛なので強制力はない。

 

すでにこの7月、農水省はセシウム汚染された汚泥を堆肥に利用し、流通させることを許可していた。従来、上下水道に蓄積する汚泥は堆肥として利用されていたが、セシウム汚染が問題となり、利用を一時中止。しかし、増え続ける汚染汚泥に危機感を持ち、安全基準値を200ベクレルに上げて再許可したのだ。現在、東北関東の農地や農産物、畜産物から高濃度のセシウム汚染が次々と発見されている。今後、汚染は堆肥の流通を通じて確実に全国に広がる。堆肥に産地の表記はないから、これを防ぐ方法はない。セシウムの半減期は30年以上である。

 

8月24日

厚労省は食品の放射線汚染について抜き打ち検査をすると発表。政府は東北関東14府県に対して食品の放射線検査を求めていたが、約100市町村を産地とする農産物で7月末まで全く検査が行われていなかったことが判明したためだ。自治体にとっては放射能汚染検査は費用と手間がかかるうえ汚染が検出されれば出荷停止となる。自治体にとっては何ら利益はなく積極的検査を期待する方が無理という声も当初からあったが・・・。日本の暫定基準値は200ベクレル/kg、チェルノブイリ原発の影響を受けたドイツでは食品汚染を幼児は4ベクレル/kg・成人は8ベクレル/kgと定めている。幼児で比較すると日本の基準はドイツの500倍!

7月末までに検査がなされないで流通している食品の放射能汚染度は不明のままだ。(この200ベクレル/kgという暫定基準値、これは人体への影響、健康被害を考慮したものではない。賠償額などの経済性を基準として定めたと思われる。なぜなら、原発事故以前100ベクレル/kg以上の数値を発する「物質」はすべて「放射能廃棄物」に当たるとしてその移動は禁じられ、地中深く埋設することが義務付けられるていたものだからである

 

9月4日

細野環境大臣は福島原発事故で汚染されたがれきの最終処分について「福島の痛みを日本全体で分かち合おう、最終処分場を福島県外に設けたい」と全国の地方自治体に呼び掛けた。

 

9月20日

神戸大学の山内和也教授の放射能除染実態調査結果が公表された。それによるとモデル地区として除染を行った通学路では空間線量は平均して7割ほどしか下がらず、通学路としては不適なままだった。道路側溝の線量はむしろ高くなっており、民家の屋根や塀などの除染も出来ていないことが分かった。

 

◆放射能汚染レベル調査結果報告書
渡利地域における除染の限界
2011 年9 月20 日 山 内 知 也**
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110921_2.pdf

 

9月24日

環境庁は除染が必要な地域の面積と、除染によって発生する汚染土砂の量について試算を発表。それによると福島県の13%の面積について除染が必要であり、発生する土砂は2800立方メートル・東京ドームの約30杯分という。細野環境相は「がれきを全国に引き受けてもらう」と発言。福島を除染するためには土砂も運びだす必要がある。どこに持っていくつもりか?

 

9月25日

原子力発電所の新規建設が計画される山口県上関町で25日町長選挙名開票が行われ、推進派の現職、柏原重海氏が反対派の新人を抑えて当選。3選を果たした。上関町は急激な過疎化が進み人口は1985年・6155人だったのが2010年には3332人と25年で半減している。誘致が決定して交付金が支給され2010年度の当初予算の25%が原発に関わる交付金だった。また2007年以来交付金以外にも上関町が受け取ったお金は24億円にのぼる。

 

この上関原発予定地について奇妙な事件がある。

建設予定地の一部を保有する四代八幡宮の宮司が土地の提供断ったところ2003年、推進派の氏子が当時の林宮司の解任を山口神社庁に要求。林宮司は事実上解任された。このとき林宮司から「退職願」が出された・・・とされたが宮司は提出しておらず、県神社町の偽造として提訴した。一審、二審とも問題の「退職願」は偽造と認めたが、林宮司の解任に問題はないとの判断を示した。

 

9月27日

栃木県宇都宮市の環境放射能水準調査結果が公表された。それによると宇都宮市においてセシウム134の多量降下を検出。9月21日330メガベクレル/k㎡、22日には510メガベクトル/k㎡を記録。この数値は福島原発事故直後に匹敵するという。原因は不明というが、いわゆる「放射能雲」が宇都宮市を覆ったと思われる。

 

◆SAVE CHILD
http://savechild.net/archives/9220.html

 

9月28日

東京都は東日本大震災で生じた岩手県・宮城県のがれき処理を引き受けると発表。東京都は2年半で50万トンを処理するために70億円の予算を計上。

 

10月12日

東京都世田谷区弦巻の歩道橋で2.7マイクロシーベルト/時を超える高い放射線量が測定された。都内でこれまで測定された最高値は3月15日の0.496マイクロシーベルト/時。今回はその5.4倍に当たる。世田谷区ではすでに除染処置済といっているが神戸大学の山内教授の研究によれば高圧洗浄を行っても7割程度の汚染は残り多くの場所で除染は不可能という。

 

10月19日

埼玉県は県内産茶葉97銘柄から暫定基準値500ベクレル/kgを超える放射性セシウムが検出されたと発表。このうち87銘柄はすでに7440kgが売約済。県では製品の回収と在庫廃棄を要請した。埼玉県では、国の抜き打ち検査で一部茶葉から基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け独自に検査を行ってきた。その結果これまででほぼ全銘柄に当たる1446銘柄を検査。7.7%に当たる111銘柄から基準値を超える放射性セシウムが検出された。検査には強制力がないため県の検査を拒否する業者もいるという。未検査の銘柄について県は出荷自粛を求めてきたが、実際に従う業者がどれだけいたかは不明。

 

10月26日

千葉県柏市で27万6000ベクレル/kgを超える高濃度汚染が検出。また、神奈川県逗子市の小学校で8000ベクレル/kgを超える放射能数値が検出される。

 

◆SAVE CHILD
http://savechild.net/archives/10864.html

 

11月5日

林野庁では11月からスギ花粉に含まれる放射性セシウムの検査を開始する。文部科学省はすでに6月福島県川俣町の計画避難区域内の杉について調査。その葉から最高17万7600ベクレル/kgのセシウムを検出していた。スギは風媒花でその花粉の飛距離は風に乗れば300km以上離れた地域まで飛来する。

奥多摩では花粉から93.8ベクレル/kg、スギの葉は322ベクレル/kg、土に含まれるセシウムは1381ベクレル/kgが検出されている。林野庁は「直ちに危険なレべルではない」と発表しているが・・・。

 

11月8日

ロシアはバングラディッシュ初となる原子力発電所建設について協定を締結。

 

11月9日

原発事故発生以来延べ10万人以上の作業員が投入されてきたが、ここにきて、あるうわさが広まっている。実は原発作業員に多量の死者、傷病者が出ているというのだ。7月1日、東電は作業員1295人と連絡が取れてない(行方不明)と発表。10月6日、現場作業員の3人目の新たな死亡を発表した。累計被曝は2.02ミリシーベルト・死因は後腹膿腫とされ放射線の影響は考えにくいとのことだが・・・。

作業員大量死亡説・・・このようなうわさが発生する一因には東電の「常に過小評価」の疑いが払拭されないことにある。

 

11月16日

福島県は福島県大波地区の農家が自主的に持ち込んだ米から暫定基準値を(500ベクレル/kg)超える放射性セシウムが検出されたと発表。問題はこの数値が自主検査で検出されたこと。

もし、今回この農家が自主検査を行わなければ高濃度の汚染米が市場に出回っていたはずだ。自主検査を経ずに見逃された汚染米はすでに市場に出回っている。

 

11月18日

米国の放射線学・モニタリング専門家のカルトフェン教授は全米公衆衛生協会に対して報告書を発表した。それによると在日アメリカ人の子供がはいていた靴ひもから80ベクレルのセシウム汚染が検出。(セシウムは靴ひもをいじった子供の手から消化管に入り内部被ばくを起こす)

また東京を走っているの車のエアフィルターを調査した結果大量のセシウムが発見されたこと等「汚染被害は明らかに東京にまで広がっている」として計画避難区域の見直しを提言。

また、米国においても福島第一原発から飛来したセシウムがロッキー山脈沿いの西海岸一帯の土壌に沈着。10年~20年後ガンなどの重篤な健康被害が出る可能性を示唆した。

 

11月19日

現在、我が国の低線量被曝の危険性についての判断基準は国際放射線委員会(ICRP)に準拠している。2007年、ICRPは低線量被曝の危険性について新しい研究成果を踏まえ基準見直しを勧告した。それには「バイスタンダー効果」(被曝した細胞から伝えられる情報により被曝してない細胞がガン化する)

「ゲノム効果」(被曝した細胞がその直後ではなく、新陳代謝を繰り返した後に悪性形質転換や染色体異常、遺伝子突然変異を起こす)といった発見も含まれている。

が、文部科学省はこの勧告についての議論はまだされてないと答えている。今、現在文科省が準拠しているICRPのデータは1990年代・・・今から20年も一昔のものだ。

 

11月26日

福島県中央部を流れる阿武隈川から毎日525億ベクレルの放射性セシウムが海に流れ出ていることが京都大学などの調査で判明した。福島第一原発事故で4月に海に放出された低濃度汚染水が840億ベクレルとされており改めて福島の汚染レベルを示す結果となった。この調査は文科省の依頼を受け京都大学などが6~8月に行ったもの。阿武隈川の支流・中流・河口付近で水に含まれる放射性セシウムを測定。伊達市など中流では河口の3倍以上、1日当たり1765億ベクレルを検出した。セシウムの9割近くが土砂に付着して運ばれ、せきなどで止められることから中流の数値が高くなったもの。こういった汚染水が海に流れ込んでいる。環境保護団体グリーンピースは主なスーパーの海産物商品について検査を続けている。これまでに発表されたデーター(10~11月)ではワカメ85ベクレル/kg・ヒラメ、メバル等から最大で398ベクレル/kg、メバチマグロ、カツオなどから最大39ベクレル/kgを検出。

 

◆はてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/rakkochan+jikopr/20111009/p1 

 

11月27日

ドイツのベルリンで「福島県の人々による報告」と題する講演会が開かれた。この講演会に飯館村前田区の長谷川区長が参加。原発事故について語った。その講演によると3号機の爆発が報じられた3月14日、飯館村役場では国から空間放射線量は40マイクロシーベルトを超えている、との連絡を受けていた。しかし村長はこの情報をなぜか口止めし、その後、大学の研究チームが調査で明らかにした村内の汚染についても、そのデータの公表を止めさせようとしたという。

放射線量のデータについても、国や県が公表した事故直後の40ミリシーベルト/時という数値と、報道陣や大学研究チームが検出した数値100ミリシーベルト/時にはあまりにも大きな開きが見られる。長谷川区長は「公の発表は正しい数値ではない。うその情報を流している」と語った。飯館村が避難地域に指定されたのは事故から約1ヶ月後の4月11日。村内にはそれまでにプルトニウムなどが大量に降下したと見られている。区長は同地区に住む子供たちの未来についても不安を語り、そしてこのような大事故を起こしながらなお原発を再稼働し海外に輸出しようとする国家の姿勢を批判した。

 

 

11月29日

テレビ朝日は「通販生活」秋冬号のCM放送を拒否したと発表。

テレビ朝日によると、意見が対立している問題については多角的な放送が求められるため「ふさわしくない」と判断したとのこと。

「通販生活」秋冬号では原発の今後について国民投票を行うよう呼びかけていた。

同誌を発行するカタログハウス社は今回のテレビ朝日の拒否について「チェルノブイリ事故以来、反原発は編集の方針である」と回答。これまでも福島の子供たちを長野県に一時避難させるなどその編集方針は一貫している。

 

12月9日

日刊ゲンダイは放射線測定器販売会社のアルファ通信の告発を報じた。それによるとアルファ通信は文化省から福島県内の学校や公園などの放射線を測定する「オンライン線量計」を受注したが「精度が低い」・「納期を守らない」として契約を解除された。アルファ通信はこれに真っ向から反論。アルファ通信が納入しているのは米軍も使用している国際仕様に基づく製品。一方、文科省側が使用しているのは日立系の測定器アルファ通信の測定器は国内仕様のものより、一般的に高い数値が出る。文科省はアルファ通信の機器について、測定値が2割程度低く表示されるよう要求したという。納期の遅れもこの無理な「補正」を強要されたため、という。すでに、設置されているモニタリングポストは地上から20mほどの高さに設置されているものも多く、地表よりも低い数値しか計測していないのが実情。

 

◆アルファ通信
http://www.alphatele.com/

 

12月22日

厚生労働省は22日、開かれた部会で食品に含まれる放射性物質の濃度について新たな基準を了承した(2012年4月以降適用)。それによると、今までの基準値に比べ、飲料水では20倍、牛乳で4倍、一般食品で5倍の厳しさになる。

従来「一般食品」は500ベクレル/kg・「牛乳・乳製品・飲料水」は200ベクレル/kgだった。

新基準では「一般食品」は100ベクレル/kg

「乳児用食品・牛乳」は50ベクレル/kg

「飲料水」は10ベクレル/kgとなる。この新基準値も欧米に比べるとかなり甘い数値だ。(ドイツでは幼児用食品については4ベクレル/kg・成人用に関しては8ベクレル/kg)

 

12月22日

食品による内部被ばくの専門家で元ゴメリ医大学長のユーリ・バンダジェフスキー博士は日本の子供たちが将来負う甲状腺や心臓病のリスクについて警告を発した。彼はチェルノブイリ事故の際、汚染地でなくなった人から臓器を取り出しセシウム量を測定。世界でも類を見ないこのデータ。それによると子どもが各臓器に蓄積するセシウム量は大人に比べて、甲状腺で約3倍、心臓の筋肉で約4倍に達し、また、心臓のセシウム量は心電図異常の発症率と高い相関関係を示し、11ベクレル/kg~26ベクレル/kgの蓄積量で心電図が正常な子供は40パーセント以下。74ベクレル/kg~100/kgベクレルではさらに15%以下に減少するという。

 

12月22日

観光庁は福島に観光客を呼び込むキャンペーンを開始。ウエブサイトで「全国の皆さん、ぜひ、福島に旅行に出かけて下さい」と呼びかけた。これは野田首相の「収束宣言」を受けたもの。これは原子炉内の温度が規定以下に保たれている、としてこの宣言になったのだが、メルトダウンした燃料棒はどこにあるか依然、分からない状態。どこの温度を測定して「規定以下の温度」と判断したのか?

 

12月30日

「放射能を拡散させない市民の会(秋田県)」は放射能汚染されたがれきを受け入れる自治体マップを発表。

 

 ◆がれき受け入れ自治体マップ
http://one-world.happy-net.jp/ukeire/

 

12月30日

ドイツ放射線防護協会は声明を発表。

それによると福島第一原発事故以来、日本政府がとってきた一連の政策について放射能汚染度希釈政策と断定。それをやめない限り日本全国民が「忍び足でやってくる汚染」にさらされると警告。明確な基準を設定してがれきを封じ込めない政策を「放射線防護の観点からすれば、惨禍」と断じ、廃棄物の拡散により、焼却施設の排煙や埋め立てられた焼却灰などから環境中に放射線核種が流出するリスクに懸念を示した。

 

◆ドイツ放射線防護協会によるフクシマ事故に関する報道発表
http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20111130/1322642242

 

【2012年1月~12月までの主なニュース】

 

1月5日

昨年末、政府は「冷温停止状態」に基づき「収束宣言」を出したが、1月に入って海水中の放射性セシウム濃度および放射性物質の降下量が2日以降急激に上昇していることが分かった。東電によると、3号機取水口付近で採取された海水中の放射性セシウム137の濃度が5日の測定で、前日の3倍以上に上昇しているのが判明。

また福島県が発表した放射性物質の降下量測定では、2日以降急速に測定値が増加。2011年11月1日~30日までの一ヶ月間の合計は347.7メガベクレルだったのが、今年1月2日、3日の2日間の合計だけで558.1メガベクレルと大幅に上回ったのだ。もともと冷温停止」は原子力発電所が正常な状態で使われる用語であり、圧力容器の底が抜け燃料棒の所在が確認できない中では意味をなさない。「収束宣言」には世界の専門家から疑問が提示され、再臨界のリスクも含め、依然として危険であると指摘されている。

 

◆定時降下物環境放射能測定結果(暫定値)(第8報)
http://www.pref.fukushima.jp/j/koukabutsu8.pdf

 

1月11日

東電は今月9日に福島第一原発で作業中に心肺停止状態となり病院に搬送されていた男性が、当日5時に死亡していたと発表した。死亡から2日経っての発表については、病院から連絡を受けていなかったためという。東電では同作業員の外部被ばく量を6ミリシーベルトであり死亡は放射性汚染物質とは無関係と説明したが、内部被ばく量については未発表のままである。

呼吸や食物から体内に取り込まれたセシウムが心臓に集中、細胞内のミトコンドリアが破壊され筋肉が機能しなくなることはよく知られている。死亡した作業員についての氏名はプライバシーに関わるとして公表されていない。今後、報道機関などの追跡調査で臓器の状態や内部被ばく量が明らかにされるのを避けるためなのか・・・。

 

1月11日

関東ではホットスポットが数多く報告されているが、セシウムより内部被ばくのリスクが高いストロンチウムの値については全く知らされることがない。計測できる機器がほとんどないから、とされているが・・・

そんな中、東京町田市の「子どもと未来をつなぐ会・町田」では低線量被曝が原因と疑われる症例を集め、報告を発表した。

医師に相談したケースでは「ストレスのせい」・「首都圏で放射能の影響はあり得ない」と取り合ってもらえないことが多いという。

 

 ◆こどもと未来をつなぐ会・町田
http://ameblo.jp/kodomotomirai/entry-11069157525.html

 

1月11日

フランスの国立保健医学研究所が2002年~2007年にかけてフランス国内にある19ヶ所の原発について5km圏内に住む15歳未満の子どもの健康調査の結果を公表した(ロイター通信)。

それによると子どもの白血病発症率は他の地域の2倍に上るという。この結果に対してフランス放射線防護原子力安全研究所のドミニク・ローリエ氏は「この結果は徹底的にチェックされており、統計的に有意な数字」と語っている。

この調査報告はガン専門誌「INTERNATIONAL JOURNAI OF CANCER」に掲載される予定。

ところで、この調査報告はすべて安全に運転されている原子力発電所の近隣地域の話。翻って、日本では原発事故以来、計画避難区域にとどまらず、関東一円でホットスポットが広がっている。内部被ばくのリスクがセシウムより高いストロンチウムについては多くの地域で測定すらされておらず、汚染度合は依然として不明のままである。

こういう状況下で生きる福島の子供たちの数年後の健康被害について一体、誰が責任を負うのだろうか?政府か?東電か?

 

◆FOX News 
http://www.foxnews.com/health/2012/01/12/study-child-leukemia-doubles-near-nuclear-power-plants/

 

2月22日

米CBSニュースは南相馬市の汚染除去作業を取材。

その映像が公開され話題になっている。その映像は除染で発生した高レベルの放射性汚染物を校庭に埋めているものだ。他に処理方法がないという。日本原子力機構の職員はインタビューに答え「放射線量を下げることで、子どもとその親に出来るだけ早く戻るようにと説得したい」と答えている。

CBS記者は「難しい説得になるだろう」と述べているが、校庭に放射能汚染物を埋めた学校に戻ろうとする親子はいるだろうか?

 

 

2月23日

同日発売の「週刊文春」に「福島県から北海道に避難した子ども120人の健康診断の結果、11人に甲状腺がんが疑われる深刻な所見が見られる」との記事が載った。

ところが、福島県で甲状腺がんの検査を監督する福島医大の山下教授は福島で行った甲状腺検査の追加検査は行わないようにというメールを出したことも伝えている。

 

3月4日

放射能被害に関心を寄せる親や医師が運営するサイト

「放射能健康相談.com」は首都圏のホットスポットに住む子どもに高率でリンパ球の異常が見つかったと公表した。居住地域は航空モニタリング調査の結果や群馬大早川教授の汚染地図を参考にし、年齢層は「0歳から幼稚園児」「小学生」「それ以外」

に分けてある。それによると、高線量地域に住む0歳から幼稚園児では半数近い15名中7名にリンパ球の異常が見つかっている。

診察に当たった医師は、さらなる調査が必要としながらも、親に相談されたら「高線量地域からの避難を勧める」と述べている。

 

http://sekaitabi.com/kenkosoudan.html

 

3月15日

原発事故から1年、「がれき受け入れ」は各自治体に広がりを見せているが、徳島県はそのHPで「がれき受け入れ」について「保留」とし、次のように理由を表明した。

原発事故以前では100ベクレル/kgを超える廃棄物については厳重な管理下に置き、地下深く埋設していた。

それが新たに設けられた8000ベクレル/kgという80倍の基準で、しかも地下に埋設するのではなく、焼却処分し濃縮し一般の埋め立て施設で処理する・・・。なぜ、この数値とこの処理方法が健康に害を及ぼさないとされているのか科学的根拠に基づく明確な説明がない、として「がれき受け入れ」を保留していると・・・

これに対して国は回答したのだろうか?

 

◆徳島県 ようこそ知事室へ
http://www.pref.tokushima.jp/governor/opinion/form/652

 

3月19日

日本原子力発電東海原発は貯蔵タンクから放射能汚染水約1.5トンが漏れ出たことを原子力安全・保安院に報告した。

この汚染水は作業着の洗濯などに使われた水で、貯蔵用タンクに貯められていたが,何らかの理由で配管を伝ってタンクがある建屋内の別の部屋に漏れ出たという。この汚染水の放射線量は33,000ベクレル/kgという。東海原発は17日に判明した水の流出事故を19日まで秘匿していた・・・水漏れとはいえ、事故に対するこのような認識は近隣住民に不安を与え、大変危険なものを感じる。

 

3月21日

愛知県岡崎市の幼稚園で給食に出されたうどんの具として使われたシイタケから1400ベクレル/kgのセシウムが検出。

問題のシイタケは茨城県から出荷、愛知県豊川市の加工業者が仕入れ業者を通じて購入し納入されたもの。このシイタケには産地表示はなくただ「国産(原木栽培)」と表示されていただけである。

食品の汚染は日本中に広まっている。

政府は「検査は行っており安全な食物のみを流通させている」と宣伝しているが、実情はそうではない。

(セシウム汚染発見の発端は園児の保護者が食材の汚染を心配して園に検査を提案。園側は食材を提供。民間の検査機関(Cラボ:市民センター放射能測定センター)では1280ベクレル/kgを検出。その後、保健所が再検査したところ1400ベクレル/kgを記録。この数値が発表された)


◆Cーラボ
http://tokainet.wordpress.com/hsc/

 

4月5日

東電は福島第一原発で放射性物質を含む汚染水が海に流れ出たと発表した。漏水は淡水装置から濃縮水貯槽へと汚染水を送る移送管で発生。接続部の耐圧ホースが外れたためとしている。

実は同じような事故が10日ほど前にも発生。経済産業省は再発防止を求める指示を出したばかりだという。

 

海は確実に汚染されている。

先月26日東電が行った内視鏡による観察で3mはあると想定されていた水位が実際は60cmしかなく「格納容器の底に穴があいている(メルトスルー)」は確実となった。冷却用に注ぎ込まれている水に溶け込んだ猛毒のプルトニウムなどが地下水脈に届き、海に流れでるのは時間の問題だ。これを避けるには地中深く隔壁を設ける方法しかない。

東電はこのような対策をとろうとはしない。というより無理なのではないか。

原発事故処理・・・その程度にもよるが、今の状況は一企業が対応できる限度を超えている。「有事」という言葉があるが、それに準じる緊迫した状況が生じている。放射能汚染が国土を犯し、国民の健康を脅かし、自然環境にも重大な影響を及ぼしつつある。政府は危機意識が欠如しているのではないか?

海洋汚染は静かに広がっている。

2月29日鹿児島産の養殖ブリからセシウム7.2ベクレル/kgが検出されている。

 

◆東京電力
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1201713_1834.htm

 

4月17日

東京新聞は川崎市の小学校の給食の食材として使用された缶詰、冷凍ミカンから放射性セシウムが検出された、と報道した。それによると神奈川県産のミカン缶詰からセシウム3.8/kg・冷凍ミカンから9.1ベクレル/kgが検出。

「国の安全基準は100ベクレル/kgである」として市はこれらの食材を廃棄することなく給食に供した。しかし、こういう判断は非常事態ならともかく、子どもにはセシウムが検出された食品は出来るだけ与えるべきではないとの配慮を忘れてはならないだろう。それらは体内に恒常的に蓄積されていくことになる。

ドイツの安全基準は子ども、4ベクレル/kg・大人、8ベクレル/kg)

 

4月20日

100ベクレル/kgという数値は原発事故以前は放射性廃棄物として扱われ、移動を禁じ、この処理は地中深く埋設することが義務付けられていた。現在この数値は食品の安全基準とされているが・・・農林水産省は食品を扱う流通業者・外食産業・スーパー・食品メーカーなどの業界団体に、独自の放射性物質基準を設けないよう通達を出した。これはおかしい。

 

◆食品中の放射性物質に係る自主検査における信頼できる分析等について
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/ryutu/pdf/kyoukucho.pdf

 

4月22日

同日未明、山口県和木町にある三井化学岩国大竹工場でタイヤの接着剤を製造するプラントが爆発。火災が発生し午前8時にはプラント内のタンクも爆発した。この事故で作業員一人が死亡、11人が重軽傷を負い、住民6人も負傷した。

 

実は今回のこのプラントの事故で放射性物質による被害は?と懸念が持たれている。なぜならばこの工場の敷地内には「劣化ウラン」の保管倉庫があるのだ。

「劣化ウラン」はウラン精製後のカスだが密度が非常に高く「劣化ウラン弾」として戦車の砲弾・武器に用いられている。

大変燃えやすく気化したものを吸い込むと深刻な内部被ばくを引き起こす。湾岸戦争では劣化ウランによって被曝した米兵に多くの犠牲者が出ている。この「劣化ウラン」、かつては化学反応を起こすための触媒として利用されていたが、現在ではほとんど利用価値がない。しかし、処分方法もないため、ひそかに保管され続けているのだ。米軍から流出したと思われるがなぜ、民間企業にわたったのかその経緯は不明。

国内195ヶ所に貯蔵されているといわれる「劣化ウラン」。

今回事故を起こした三井化学岩国大竹工場では3,379本(200ℓ入りのドラム缶換算)大阪の三井化学大阪工場には1,889本、埼玉県の三菱マテリアル(株)大宮総合整備センターには30,910本が保管されている。

 

◆平成20年度放射性廃棄物管理状況
http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/news/genshiro_anzenkisei/__icsFiles/afieldfile/2009/09/07/1284216_3.pd

5月5日

従来、セメントの原材料には下水処理の過程で生じる汚泥を焼却後の灰が利用されている。それが原発事故以降、福島県では最大44万ベクレル/kgのセシウムがその汚泥から検出。それをうけて、セメント製造各会社は汚泥の利用を差し止めていた。しかし、たまり続ける放射性汚泥の処理に困った国はセメント製造各社に要請、順次利用を再開した。他に処理方法がないためセメントの原材料として押し付けたのだ。東京都では発生する汚泥の約7割をセメント原材料として再利用。残りは埋め立て処分することで汚泥を処理している。政府の指針では100ベクレル/kgをクリアランスレベルと定めているが、測定はセメント製造各社に任されている。これからマンション建設などで使われるセメントが高濃度のセシウムに汚染されていたら、住人は長期にわたって被曝し続ける恐れがある。

 

◆週刊ダイヤモンド
http://diamond.jp/articles/-/12355

 

5月14日

新潟県はツキノワグマの食用自粛を呼びかけた。

米どころ新潟県魚沼市で捕獲されたツキノワグマの一頭から食品基準値を超える134ベクレル/kgのセシウムが検出されという。

このクマ肉ははすでに東京都内の焼肉店に卸されていたため、都に対して流通経路等の調査を依頼したという。

クマの主食は植物の新芽や果実などだが、同地域に暮らす人も、主に地域で産出されてものを食しており、農産物にも放射性物質が降り注いでいることを暗示している。(この4月、山形県でもツキノワグマの肉から100ベクレル/kg超の汚染が検出されている)

 

5月15日

国やマスコミは福島原発事故の影響を出来る限り低く見積もりたいのか?なぜか?国際基準とは異なる単位を用いている。

国際基準は「ベクレル/㎡」・・・これはチェルノブイリ原発事故発生当時、その単位を見た方もおられるだろうが例えば妊婦・子どもの立ち入り禁止地域として3.7万ベクレル/㎡がその基準とされた。千葉県船橋市の畑で260ベクレル/kgが測定されたがこれは国際基準「ベクレル/㎡」換算だと約3.9万ベクレル/㎡。チェルノブイリ事故で立ち入り禁止地域に指定された値を上回っている。船橋市のとなりの浦安市には東京ディズニーランドがある。

 

◆千葉県 農地土壌中の放射性セシウムの分析値

http://www.s.affrc.go.jp/docs/map/pdf/04_09data_chiba.pdf

 

6月5日

千葉県浦安市は岩手、宮城の震災がれきを受け入れ、東京ディズニーシーに隣接する海域に埋め立てる計画を発表した。それによると、東京ディズニーシーに隣接する三角形な海域を堤防で囲い、震災がれきを焼却せずにそのまま埋め立てるという。この方式で160万~250万立方メートルのがれきを処分できるという。

埋め立て後は土をもって植樹し27万ヘクタールの広大な公園を造成するというが・・・松崎秀樹市長が国の担当者に提案したところ、現状での実現は困難との回答だったとのこと。

 

6月16日

政府は関西電力大飯原発3号機・4号機の再稼働を決定。

 

6月30日

千葉議会は放射性廃棄物の最終処分場を富津市の鬼泪山に建設する計画を明らかにした。

計画では国有地である鬼泪山に最終処分場を建設。

県内の焼却灰4,139トンなどを埋設する予定。最終処分場は屋根つきの遮断型。8000ベクレル/kg以上の焼却灰など「指定廃棄物」を埋設。最終処分場の建設費用は国が負担する

原発事故の影響は広範囲に及ぶ。

秋田・岩手・宮城・福島・茨城・群馬・埼玉・千葉・神奈川・新潟の11県と北海道・東京で8000ベクレル/kgを超える下水の汚泥・ゴミ焼却灰・堆肥・腐葉土などが発見されている。

その量5万トン。

環境省は「指定廃棄物」を全国自治体の既存の処分場で処分する計画を立てていた。しかし、高濃度汚染の廃棄物受け入れを拒否する自治体が多く計画は難航。対応策として、国有地に最終処分場を新設することに決定。環境や周辺住民に与える影響については検証はされていない。建設予定地は東京都庁から約50km。近隣にはマザー牧場がある。

 

7月7日

6月16日大飯原発は再稼働した。この決定には不可解な出来事がある。再稼働した3号機と停止中の2号機の間を南北に走る粘土質を含む活断層がある、と東洋大学の渡辺教授(変形地質学専門)指摘。一方、関西電力側は「活断層でない」と意見が対立。3日に経済産業省で開かれた専門家会議でこの断層の危険性が検討される予定であったが、直前になって関西電力は「資料が紛失してる」と報告。会議での検討は見送られた。再稼働前に「紛失」が判明していれば、待ったがかかる可能性もあった・・・再稼働決定後、予定されていた専門家会議の直前に「紛失が判明」とは不可解だ。

 

7月10日

昨年3月政府の原子力災害対策本部は福島県に住む子どもたちの被ばく量を測定し、被曝量の多い子どもの保護者に対しては結果を通知した。対象は福島に住む子ども1,080人。通知を受けたのはそのうち45%、残りの55%は「被曝量0」と通知された。この検査の目的は被曝に対する予防薬となる安定ヨウ素剤の必要性を判断するため、とされていたが、独立法人・放射線医学研究所は原子力災害対策本部が測定した資料から子どもたちの被曝量を独自に計算。「被曝量0」とされた子どもでも、被曝の可能性がある、と報告した。政府はこの結果に対して「誤差が大きく、不安を招く」との理由で保護者には伝えない方針を明らかにした。

 

甲状腺のう胞・・・・これは被曝による身体への影響を図る上で重要な指針とされる。甲状腺のう胞は放射線の影響で発症する。現在、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーを務めるのは福島県立医科大学の山下俊一教授。彼はチェルノブイリ事故で被ばくしたベラルーシのゴメリ地区で子どもの甲状腺のう胞検査を実施。

その「のう胞」検出率は1.74%と発表。また2000年には長崎県で同じ調査を行っているが長崎の子どもの「のう胞」率は0.8%しか確認されてないと発表している。しかし、今年4月に福島県が公表したデータによると3月末までに検査を終えた警戒区域など13市町村に住む18歳未満の子供たち3万8114人のうち1万2460人に「のう胞」が見つかっている。甲状腺のう胞発症率35.3%、長崎の子どもに比べると44倍の高率である)

たいへん、矛盾している。

 

7月13日

環境庁は太陽光発電や風力発電など再生エネルギーによる発電量が、条件付きであるが原子力発電のそれよりも大きく上回るという試算を発表した。その条件とは昨年8月成立した「再生可能エネルギー買い取法」の活用である。

これは太陽光・風力などの再生可能エネルギーによって発電された電気を一定の価格で一定期間買い取るよう各電力会社に義務付けている。買い取り価格・期間等は発電施設の規模・発電方式によって異なるが、太陽光発電の場合・・・42円/KWと定められているがこの買い取り価格を44円とし、期間15年に設定すれば住宅を除く公共施設・発電所・物流施設等に太陽光発電設備を設置することで約8000万KWの事業が可能という。現在日本にある原子炉55基の発電量は合計して約4,960万KW。これを大きく上回るものとなる。原発資金を太陽光や風力などの再生可能なエネルギー開発に回せないものだろうか?復興予算をこのような開発プロジェクトに投入できないものだろうか?

 

◆環境省
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15471

 

7月18日

東電は4号機より2本の核燃料棒を取り出すことに成功したと発表。しかし、まだ4号機には264トンの燃料棒がある。それらを取り出すまでにこれからどのくらいの歳月がかかるのか?取り出した燃料棒をどこにどのように保管するのか?という質問に「まだ未定・不明」という。正直な答弁だと思うが、こういう発表を聞くと実は「自分の後始末を自分で出来ない企業」が「危険負担」を何世代にもわたって国民に押し付けてきている・・・そうとしか思えない。

 

 

7月20日

鳩山元首相が反原発官邸前デモに参加

 

7月20日

毎日新聞は「原発事故による被曝量をネット上で簡単に推計できるシステムが開発!しかし,「不安をあおる」という理由で活用されることなく葬られた」と報じた。

それによると外部被ばく量推計システムを作ったのは、独立法人・放射線医学総合研究所。同研究所では昨年4月、文化省の指示で福島第一原発周辺住人の外部被ばく線量を調べるシステムの構築に着手した。実際、爆発により放射性物質が大量に飛散した直後、どのような生活を送っていたか等の情報をもとに被曝線量は推計できるのだ。同研究所はネット上でこういった情報をインプットするだけで個人個人の被曝線量の推計値が表示され、早急な避難が可能になるシステムを考案。そして、5月13日、同研究所が福島県立医大で開かれた健康調査に関する検討委員会準備会の席上で同システムについて紹介したところ、県保健福祉部幹部は「何を考えているんだ、不安をあおるだけだ」と声を荒げるなど、反対の声が相次ぎ、無視された。

同議会の進行役は山下俊一教授。

彼は「放射能はくよくよする人に来る。にこにこする人には来ない」と発言したことで有名。

結局、県民の健康調査については同教授が主体となって作成した書面による方式のみが採用となった。

 

これはおかしい。

普通、災害に直面するとまず、だれの安全を最優先にするか?

自分を含めた家族。それが最優先する。これは事実だ。公的援助は常に最後にやってくる。あてにはできない.まず、生き延びる。早急に避難する。これが最優先する。事後の調査?被曝の度合いは結果待ち?これが自然災害なら疑問は起こらない。だが、放射能汚染となると次元が違う話だ。早急避難第一なのだ。災害に直面した個人個人の自己判断が大切なのだ。仮にこのシステムが不十分な箇所があるとしても、完全なものに近づけるよう今後の課題として検討すればいい。もしこのシステムが各家庭、個人で利用できる・・・そうしたら,政府の後出しじゃんけんのような避難勧告以前にとっくに住民は家族を放射能汚染から守ることができる。こういう発想が原発事故の教訓の一つではないだろうか?

だがこのシステム自体を「パニックを起こす」と片づけて葬り去った委員会。放射能汚染の恐ろしさについて無知としか言いようがない。なぜ、山下教授はわざわざ、2000年に55年前の原爆投下があった長崎の子どもたちの「のう胞」をまだ検査しているのか?

「にこにこする人には放射能は来ない」?その証明のためか?

 

7月28日

欧州放射線リスク委員会(ECRR)のクリス・バズビー博士らはこの6月の東京都内のマンションの空調フィルター調査で高濃度のウランが検出されたと発表した。それによると鉛210・セシウム137・ロジウム102など都内の一般的なマンションには通常存在しない物質ばかりで、中でもウラニウムが3000ベクレル/kgの高濃度で含まれているという。

 

◆ENENEWS
http://enenews.com/quite-extremely-radioactive

 

7月31日

復興予算19兆円の使い方が問題となる。

19兆円のうち6兆円が「余った」とされ、約5兆円は来年度に繰り越し、残りの1兆円は「使い道がない」とされ、次のように回された。防衛省の武器車両の整備費約7億、稼働しない高速増殖炉「もんじゅ」運営費に約100億、調査捕鯨費用18億、捕鯨妨害団体シーシェパード対策費5億円などそのほか国交省官舎改修費、沖縄道路改修費等々・・・。

現在、被災地の仮設住宅には約26万人が暮らしている。

着工された復興住宅で完成したのは約230戸。

計画の約1.1%にすぎない。

 

8月10日

琉球大学の研究チームが福島県で行った蝶の奇形調査論文が海外で問題になっている。同チームは原発事故2ヶ月後の5月に福島県内の7市町村でヤマトシジミ121匹を採取調査した。その12%に「目が陥没」「羽の矮小化」等の異常を発見。この異常さは世代を経るごとに悪化。第2世代では18%。正常な蝶と交配させた第3世代では34%に異常が発現。さらに9月、再度福島から採取した蝶240匹からは約50%もの奇形が見つかった。研究者らは「低線量被曝を受け続けたことで突然変異がおきた」としたが、論文の末尾に「人間に関してはこの研究結果は適用されない」と付け加えた。

 

この「人間に関してはこの研究結果は適用されない」との一節に「遺伝はすべての生物に関係するシステムであり、同様の遺伝的損傷の深刻化はすでにチェルノブイリ事故の際、人間においても観察されている」とスイス・バーゼル大学のフェルネックス博士は反論。また、ウクライナのユーリ・ヂュブロヴァ教授もチェルノブイリ事故の影響を受けたカザフスタン・セメイ市の羊飼いたちに遺伝性の被害が3世代を経る中で深刻化していること、ベラルーシでは事故後20年たった今でも子どもたちの80%に何らかの疾患がみられることを報告している。フェルネックス博士は今後、世代を重ねるにつれ、大きな遺伝的疾患が現れ、深刻化していく危険性は高いとし、日本政府にこのようなリスクを認め、変異を予防する手段を講じるよう警告した。

 

◆Réseau "SORTIR DU NUCLEAIRE "
http://groupes.sortirdunucleaire.org/

 

8月12日

福島県いわき市の勿木海水浴場が閉鎖。2010年には約18万2千人の海水浴客でにぎあっていたが、今年は約8千人という。

 

8月17日

報道によると,香港の検疫で日本から輸入された茶葉からセシウム134が76ベクレル/kg,セシウム137が120ベクレル/kg(合計196ベクレル/kg)検出されたという。日本の出荷基準値は100ベクレル/kg。

昨年6月には、シャルル・ドゴール空港で日本の輸入茶葉から1038ベクレル/kgのセシウムが検出されている。このときの出荷基準値は500ベクレル/kg。

 

(100/kgも500/kgも原発事故以前は移動を禁じられた「放射性廃棄物」を表す数値)

 

8月22日

1年半余りの間に同じ作業所で7人が死亡したとすると、異常!ブラック企業ではないかと糾弾されると思うが、報道によると東電はこの日50代の作業員が突然死したと発表した。東電が把握している7人目の死亡者だ。累積被曝量は25ミリシーベルトだったという。

 

8月28日

東京都JR原宿駅前で採取された「黒い物質」から2万1346ベクレル/kg、皇居周辺で採取されたものから11万ベクレルのセシウムが検出されたとBS11の報道番組、INSIDEOUTが報じた。

 

8月30日

外国の原子力専門家、マスコミ、ジャーナリストのその目線というものは日本人の問題意識とはかなり違ったものがある。というより、日本のマスコミが問題提起を怠っているのか?

昨年6月米国上院議員ロイ・ワイデン氏(エネルギー委員会委員)は「福島第一原発4号機の冷却用プールが崩壊すれば、放出された放射能物質は数日のうちに米西海岸に到達。この崩壊は米国にとっても安全上の大きな問題」とヒラリー・クリントン国務長官に報告した。

この「4号機の冷却プール」・・・これに関して先月フランスの

「ル・ヌーベル・オプセルヴァツール」誌も取り上げた。

地上30mの高さに屋根も壁もなく防水シートに覆われて264トンの使用済み核燃料を貯蔵するプールが4号機に設置されている。

もしこれが台風や水漏れで燃料棒が直接空気に触れる事態が起これば・・・チェルノブイリ事故の10倍、2011年3月の爆発で漏れた分の60倍の放射能物質が飛散するという。それは広島に投下された原爆の5,000倍に相当する(京都大学・小出裕章氏)また、そのような事態に陥れば北半球全体が長期にわたって深刻な影響をうけ、日本は滅亡の危機にひんするとの科学技術振興機構の元理事長北沢宏一氏の声を伝えている。

日本政府は安全宣言を出したが、これらの懸念に答えてはいない。

 

Le Nouvel Observateur
http://tempsreel.nouvelobs.com/

 

9月4日

東京新聞は「使用済み核燃料保管プール」の問題点について次のような記事を載せた。それによると、原子炉の燃料棒は約16カ月ごとに1/4~1/3を入れ替え、年間で1000トンが交換されている。使用済み燃料棒は各地の原子炉内の保管プールに一旦貯蔵されるが、この1000トンペースでいくと全国の原子炉が持つ空き容量は6年分ほどしかなく、満杯になれば原発稼働不能の状態に陥る。再処理工場がある六ヶ所村の中間貯蔵施設もすでにあと3%で満杯になる。青森県むつ市に新たな中間貯蔵施設を建設中だが年間1000トンペースでは、完成後6年ほどで限界に達するという。再処理計画は遅々として進まず、高速増殖炉計画はとん挫したままだ。仮にプルトニウムを抜き取っても、それを使うあては全くなく、抜き取ったとしてもその後の使用済み燃料は「高レベル放射性廃棄物」となるがこれを保管する最終処分地についても白紙のままである。原発再稼働を考えるとき「トイレのない家」に住んでるという自覚が必要かも・・・

 

 

9月11日

福島県の県民健康管理検討委員会は第3回甲状腺調査結果を公表した。それによると、8月24日現在受診した子どもは42,060人。6~10歳までの男児で50.2%、女児で54.1%。11~15歳では男児48.6%、女児55.3%に甲状腺の結節、のう胞が確認されたという。

昨年行われた検査で結節、のう胞が見つかったのは全体の35.1%だった。それが今年は43.1%と増加している。

チェルノブイリ事故から5~7年後のチェルノブイリ地域の子どもたちののう胞発症率は0.5%と報告されているが、これと比較すると福島県内の子どもたちは恐るべき状態に置かれていると言わざるを得ない。

 

 ◆甲状腺検査の実施状況(平成24年度)
 及び検査結果(平成23年度・24年度)について
http://www.pref.fukushima.jp/

 

9月14日

福島県議会は超党派の議員17名で組織した調査団をウクライナ・ベラルーシ・ドイツ・フィンランドなどに派遣。その報告書を発表した。その内容はチェルノブイリ事故発生以来、各国が原発事故をどのように受け止め、どのように取り組み現在にいたっているか、これからの原発の在り方を考える上で大変興味深いものになっている。


◆福島県議会議員海外行政調査報告書
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/

 

9月24日

東電は福島第一原発1~3号機から毎時1000万ベクレルに上るセシウムが放出されていると発表。

 

10月29日

復興予算の使われ方は7月にも問題となったが、東京新聞はさらにこの問題を提起した。

それによると「東日本震災の復旧・復興につながる貿易投資に必要」として各国のインフラ調査費として約85億円。

ベトナムで建設が計画されているニトゥアン第二原発基地の断層調査費に約5億円など、復興予算が全くかけ離れた用途に横流しされていると・・・。

 

11月1日

食品などのセシウム量を測定しているNPO法人フードベース23は横浜市にあるマンションの5階で使われていた加湿空気清浄機の集塵フィルターからセシウム137が7,528ベクレル/kg、セシウム134が5,250ベクレル/kg、合計1,277ベクレル/kgを検出したと公表した。

 

foodbase23 
http://foodbase23.org/bunchou-6

 

11月2日

世界的な内部被ばくの権威であるベラルーシのユーリ・バダンジェフスキー博士は昨年セシウムが心臓に与える影響を指摘。今後、心不全・狭心症の患者が増えると警告していたが、果たしてそれを裏付けるデーターが公表された。心臓病の増加を指摘したのは、福島市大原総合病院付属大原医療センターの石原敏行院長代理。

 

それによると、震災前の2010年は年間心不全143人、狭心症266人だったのが、2011年には年間心不全199人、狭心症285人と増加。さらに2012年には半年間で心不全184人、狭心症212人と大幅に増加しているという。

政府や福島県ではセシウムが心臓に与える影響は認めておらず

それは被災や避難から来るストレスによるものとしている。

 

◆福島民法

http://www.minpo.jp/pub/topics/

 

11月7日

福島県内の各市町村や住民から「文科省の設置したモニタリングポストの数値が低いのではないか」との指摘が相次ぎ、文科省は「調べたところ不備(バッテリーの位置が原因)があった。約1割程度低い数値として計測していた」と認めた。このモニタリングポスト、国際仕様ではなく、国内仕様で当初より低い数値しか検出しないと指摘されてはいたのだが・・・。

 

11月18日

福島の県民健康管理調査検討委員会が福島市内のホテルで一般公開という形で開かれた(質問は禁止という条件付き)。

今回の委員会では今年9月28日までに甲状腺の検査を受けた福島の子ども57,480人分のデータを公開。それによると全体の42.6%に当たる24,682人でのう胞や結節等の異常が確認されたという。男女別では女児に異常が多く、特に11~15歳では過半数の55.0%に上るという。この結果について同委員会に所属する福島医大の鈴木真一教授は①診断方法がこれほどの精度で子どもの甲状腺を調べた例が今までになく、比較対象出来ない②ヨウ素の多い海産物を多く食べた可能性もある・・・として42.6%という高率で異常が発見されても、放射性物質による汚染が原因、とは断定できないと報告したうえで、「心配ありません」と住民に説明した。

(同委員会の座長、山下俊一教授が過去に行ったチェルノブイリの子どもたちの甲状腺異常の発症率0.5~1.0%、長崎の子どもたち0.8%というデータがあるにもかかわらず)

 

甲状腺検査の実地状況および検査結果について

http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/241118koujyousen.pdf

 

11月29日

核戦争防止国際医師会議(IPPNW)・・・この団体は1980年に組織された国際的な医師団体。核戦争を医療関係者の立場から防止することを主な活動目的としている。

世界83カ国から約20万人の医師が参加。1985年にはノーベル平和賞を受賞。隔年で行われる世界会議が今年11月広島で開催された。この会議に所属するドイツの医師、ヨルク・シュミット博士が講演を行い、放射能汚染に対する日本人の認識は甘すぎると警告。福島・栃木・茨城・宮城の4件から避難が必要と述べた。

シュミット博士は繰り返し首都圏の危険を指摘。東京は風によって飛来した放射性物質によって高濃度に汚染された地域の真ん中にあると警告。また福島・栃木・茨城・宮城の4県については、5,000ベクレル/kgという高濃度の土壌汚染が確認されていることから避難が必要と語った。

 

 

 

 ◆IPPNW

http://www.ippnw.org/

 

米国務省は三沢飛行場、横田基地など米国防省と関連ある地域で

2011年3月12日から5月11日までの60日間、それぞれの地点で24時間外にいた場合の被曝量を算定していた。報告書によるとやはり放射性ヨウ素による甲状腺被曝量が大きく東京・赤坂に1~2歳の子どもがいた場合、甲状腺被曝は14.0ミリシーベルト。大人の場合でも5.2ミリシーベルトに達していたという。福島には米軍関連施設がないため、被曝線量の算定は行われていない。

 

◆ourplanet-tv
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1475

 

12月13日

高速増殖炉「もんじゅ」の点検について、9679箇所もの点検漏れが発覚した。事態を重く見た原子力規制委員会は日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長を呼び、原因究明と再発防止を求める文書を手渡したが、その際同理事長は「ミスが出るのはやむをえない」 と発言。彼は以前にも「もんじゅが設計通りに稼働するかどうか、運転してから確かめる」と述べたことがあった。

これらの発言の裏には安全第一という視点が欠落している。「もんじゅ」のトップがこの程度の意識なら現場の意識も低下する。

 

 12月26日

第二次阿部内閣発足

 

原発に関する自民党の公約

「原子力に依存しない経済・社会構造の確立をめざす」

公明党の公約

「可能な限り原発0をめざす。高速増殖炉もんじゅは廃止」

 

2013年1月7日

福島第一原発2号機・・・昨年12月22日から炉内の温度が上昇し続け1月8日には180℃を超えてきた。東電はこれは温度計の故障と発表した。冷温停止上限とされる温度は95℃。温度上昇の原因は、「冷却水が届いていない」「核分裂が発生している」のどちらかだと学者は指摘している。炉内は放射線汚染がひどく状況はほとんどつかめていない。

 

1月10日

宮城県は同県栗原市の旧沢辺村地区で自家消費用として栽培された米から110~240ベクレル/kgのセシウムを検出した、と発表。(栗原市は福島第一原発から約150kmの距離にある。福島県外から高濃度の汚染米が検出されたのはこれが初めて)当初このコメは自家消費用で流通していないと発表されたが、後になって同地区で栽培された米39トンが、実はすでに昨年11月以来首都圏や東海、近畿に流通していることが判明、同日県は流通業者に回収を要請した。

 

◆YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/

 

2月12日

東電は福島第一原発2号機の温度上昇が止まらないと発表した。(先月1月7日の時点では温度上昇は計器の故障と発表したばかり)炉内にある複数の温度計の内、炉内下部では270℃を超え、同じく上部にある温度計は120℃近くになっているという。温度上昇の原因は「冷却水が届いてないか」「核分裂が始まっているか」の二つに一つ。

炉内の燃料棒の位置も状態も依然不明なままだ。

ただ言えることはセシウムの融点は28.4℃、670℃で気化し始めることから炉内のセシウムは液体の状態にあると思われる。温度上昇が続けば、気化が間違いなく進行する。

 

◆福島第一原発
http://www.tepco.co.jp/nu/

 

2月13日

福島県健康管理調査検討委員会はこの日第10回目の調査報告を行った。それによると平成23年度に小児甲状腺検査を受けた子ども3万8114人のうちB判定「5.1mm以上の結節や20.1mm以上の「のう胞」がある」と判定されたもの186人。

このうち二次判定をうけたもの162人。さらに76人は細胞診まで受診。その結果、10人に悪性の疑いありとの判定が下され、このうち3人が悪性の甲状腺腫瘍と診断され手術を受けたという。

3万8114人中3人の甲状腺がん・・・一般には小児甲状腺がんの発症率は100万人あたり1~3人とされていることから今回のでてきた数値はその30倍以上を示すことになる。チェルノブイリ事故では事故発生後7~10年後に小児甲状腺がんの発症数はピークを迎えたといわれている。今回の調査は事故の起きた年の発症率である。異常に高すぎる。子を持つ親としては今後の予防を考える上でもガンが見つかった子どもの被ばく量、B判定以上の診断を受けた子どもたちの居住地域などは知りたい情報だと思うが、同委員会は今回の小児甲状腺がんの発症と線量や地域の相関性については「公表しない」と回答した。

同委員会については 何か釈然としないものがある。

もし・・・相関性を認めたら、東電に無制限に近い損害賠償責任が発生する・・・そういう事態は避けたいという思惑が働いているのか?

あるいはパニックを避けたいがために、公表を避けているのか?

どちらにしても地域住民やその子どもたちの命と健康を優先しているようには思われない。

◆甲状腺検査実施状況及び検査結果について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/pdf

 

2月18日

北海道反核医師の会はこの13日の県民健康管理調査検討委員会の調査結果を全面否定する反論のデータを公表した。

県民健康調査検討委員会は従来から①診断方法がこれほどの精度で子どもの甲状腺を調べた例が今までになく、比較対象出来ない②ヨウ素の多い海産物を多く食べた可能性もある・・・などの理由で被曝と小児甲状腺がんの因果関係を一貫して認めようとしてない。

しかし、北海道反核医師の会は検討委員会の座長である山下俊一福島医大教授がチェルノブイリ事故発生から5~7年後、汚染地域内で超音波検査や穿刺細胞診検査など詳細な現地調査を行い、1995年、医学論文を発表していること。同論文で山下教授は1万4000人に1人の割合で甲状腺がんが発症、さらに汚染度が高い地域では4500人に1人と発症率が高まる、と報告している事実を指摘し、「精度の高い検査を行った例はない」という検討委員会の説明は嘘であるとし、また、事故発生1~2年内でチェルノブイリ事故の汚染地域を上回る福島県の小児甲状腺がんの発症率から、子どもたちはたいへん危険な状態にさらされている、と指摘した。

 

子どもたちを被曝による健康被害から守るには「避難させる」ことが第一だが、17日佐藤福島県知事は「年間被ばく量1mシーベルトという基準値は達成困難」と認めたうえで「達成可能な新たな放射線の安全基準を作るよう」政府に求めたのだが、理解に苦しむ。 

 

「メルトダウン」が疑われる現状で「達成可能な放射線の安全基準」とはどのくらいの数値を指すのだろうか?

 

北海道反核医師の会

◆福島の小児甲状腺がんの発生率は
チェルノブイリと同じかそれ以上である可能性があります
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/130216Matuzaki.pdf

 

3月11日

2011年3月11日の福島震災後、「トモダチ作戦」として米海軍ロナルド・レーガン空母その他7隻の艦隊が福島沖で支援活動に入った。が、3月14日に搭載のヘリコプターの要員17名が被曝したことが判明。これを受けて米海軍は空母と展開中の艦船を福島第一原発所の風下から離脱して支援活動を続行。4月4日「トモダチ作戦」を終了し、艦隊は元の活動に復帰した。

この「トモダチ作戦」に参加した米兵らが昨年末「東電が誤った情報を発信したため、被曝した(原発事故後、日本では12マイル以内の住人が避難したが、原発はコントロール下にある、とする東電の発表を信じて空母ロナルド・レーガンは福島沖1~2マイルに停泊、その作業に当たっていたのだという)」と東電を相手に医療保障と将来的な医療保障に対する基金の設立を求めて提訴していた。

昨年末、提訴した原告は乗組員8名と事故当時妊娠していた女性乗組員が出産した子ども1人の計9人。この時点では損害賠償額と基金設立費用の合計は総額約209億円だったが、原告側弁護士によると今年3月11日現在、原告に加わる米兵は115人を超え、賠償額もこれから増加するだろうと予想している。

 

◆ロナルド・レーガン wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki

 

 

3月12日

放射能物質による汚染被害を最小限に食い止めるためには「人は避難・汚染物質は不拡散」が原則。

これは常識と思われるが環境省はがれきの広域処理を推し進めるために廃棄物処理施設整備費の名目で総額約340億円の交付を決定した。この整備費交付の条件として「検討するだけでよい」「実際に受け入れなかったとしても、返還は求めない」との通達も出している。「これはがれき広域処理に対する市民の猛反対がある中、検討を促すための予算であり、がれき広域処理の起爆剤になる」と環境省は説明。340億円のうち約176億円が「引き受けなくとも、検討しただけ」で交付された。そのうち40億円を受け取ったのが堺市。開会中の市議会は「がれき処理を引き受けないなら、被災地に寄付すべき」との意見も出たが、竹山堺市長は「ありがたく頂戴する」として返還する考えがないことを示した。

 

3月30日

東京大学農学部の弥生講堂で琉球大学・筑波大学など、他の研究機関からも専門家が集まり、福島県の高線量地域における動植物への影響について研究発表が行われた。この発表会を開催したのは飯館村放射能エコロジー研究会。

 

①稲の影響について

報告者

生命科学研究科ランディーブ・ラクワール筑波大学大学院教授

報告によるとつくば市で育てた苗を福島第一原発から40km離れた飯館村の試験場に持ち込み屋外に置いたところ6時間後に遺伝子変化が表れ、72時間後はストレスや防護反応に関連する遺伝子に変異が現れたという。

 

②蝶の変化について

報告者:琉球大学理学部大瀧丈二准教授

彼は昨年8月ヤマトシジミについて研究発表をしているが、ここでも外部被ばく・内部被ばくの影響でヤマトシジミに奇形が多く現れていることを発表した。

 

③鶯の変化

報告者:石田健東京大学大学院農学生命科学研究科准教授

報告によると鶯の羽毛から50万ベクレルを超えるセシウムを検出したこと。さらに、非常に珍しい腫瘍を発症した鶯がみつかったという。

 

④ニホンザルへの影響

報告者:羽山伸一日本獣医生命科学大学教授

報告によると福島第一原発から約60km離れた福島市で捕獲されたニホンザルについて赤血球・白血球の減少が確認されているとのこと。福島市は避難地域に指定されておらず、外部被ばくはかなり低いと考えられている地域だが、それでも白血球などに低線量被曝の影響が出ていると思われる。

 

http://iitate-sora.net/wp-content/uploads/2012/08/20130330_abstracts.pdf

 

4月6日

福島第一原発敷地内に設けられた7カ所の汚染水の貯水槽。これは敷地内に穴を掘り、ポリエチレンシート2枚とベンナイトシート1枚を敷いただけの構造だが、5日から相次いで水漏れが発覚。最初に見つかったのは2号機貯水槽。その後1号機、3号機のそれぞれの貯水槽からも水漏れが発見された。特に3号貯水槽の汚染水は2億9000万ベクレル/kgという。人が近づくことができる値ではない。東電は1,2,3号機の汚染水を他のタンクに移送する計画を立てたが、何せ人命にかかわるほどの超高濃度汚染のため、スピードが重視され、施工後の念入りな検査は不可能という。

 

◆東京電力 福島第一原子力発電所
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/-j.html

 

4月17日

千葉県は、自主的に、この4月1日~10日までの間に放射性物質測定検査に持ち込まれた農産物などの結果を公表。それによるとシイタケから516ベクレル/kg、夏ミカンからも121ベクレル/kgが検出されたという。

栃木県ではタラの芽から470ベクレル/kgのセシウムを検出。

いずれも出荷を自粛し、流通はしていないという。

 

◆柏市
http://www.city.kashiwa.lg.jp/index.html

 

5月1日

福島県は4月の同県内における「定期降下物環境放射能測定結果」を公表。それによると4月27日~28日にかけて100.4Mベクレル/kgのセシウムを検出したという。事故直後の2011年4月16日~27日でさえ6oMベクレル/kgというから、それを大幅に上回っている。

2011年9月、東電は福島第一原発1~3号機から毎時1000万ベクレルに上るセシウムが放出されていると発表したが、現在に至るまでこの数値は変更されていない。福島はまだ「収束」していない。

 

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/koukabutsu2013-0401-0430.pdf

 

5月29日

報道によると脱北した複数の元軍人の情報として、北朝鮮は日本の原発に対する自爆テロを計画。その実行部隊が存在すると報じた。

同計画は朝鮮人民軍の対韓国戦直前に実行され、韓国、米軍の後方支援基地としての日本に混乱を生き起こすことが目的という。

◆MSN
http://sankei.jp.msn.com/world/news/

 

6月19日

高石早苗自民党政調会長は「原発事故で死者は出ていない。莫大な廃炉費用を除けば稼働中の費用は安い」と原発の再稼働を推進する考えを明らかにした。

これは事実に反する。原発事故発生後いまだ15万人以上の人が県内外で避難生活を余儀なくされている。その内これまでになくなった方々は1400人を超えてきた。2年前の地震や津波による直接の死者は1606人。近い将来、震災関連死亡者数はこれを超えるだろう。彼女は後日「話し方が下手だった」と釈明したが、「話し方が上手、下手」ではなく、現実を見ていないのだ。未来も見てないのだ。

 

6月25日

2012年8月と2013年3月、琉球大学大瀧丈二准教授率いる研究チームがヤマトシジミという小型の蝶を福島で採取し、奇形の発症率を調査、その報告を行った。その論文は世界的な権威英科学誌「NATURE」にも発表さている。

 

 2011年5月に採取された蝶では12%、同年9月には28%の高率で奇形が確認され、また異常のある蝶と正常な蝶を交配させた第3世代では奇形の発生率が34%に上るという衝撃的なものであった。これは我が国における放射能汚染地域での生態系調査としては直近のデータを提供する、非常に価値のある研究である。

が、現在、大瀧丈二准教授のヤマトシジミの研究は研究費が打ち切られるという異常な状態になっている。

誰が何のためにこの研究の抹殺に乗り出したのか?

この研究調査に国民に知られては困る事実があるのか?

これは情報統制の動きである。

これは大学自治を侵すものである。学問の自由を侵している。

 

研究費打ち切りという状態に陥ったが、大瀧丈二准教授はこの研究(放射能汚染が生態系に及ぼす影響)を継続しようとしている。

現在、一般からの寄付を募っている。

 

◆大瀧研究室
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/bcphunit/kihu.html

 

6月26日

茨城県東海村では福島第一原発事故を受け、独自に中学生以下の子どもを対象に甲状腺超音波検診を実施してきた。対象となる子ども6000人のうち、今回調査結果が発表されたのは2012年11月5日~2013年4月30日までに希望して検査を受けた988人。報告によるとこのうち230人が「経過観察」、7人は「要精密検査」と判定された。全体の24.0%に異常が見つかったという。こどもの甲状腺異常はきわめて少なく、甲状腺がんに至っては100万人に1~3人程度と言われている。24.0%とは高い。

 

 2012年1月フランスの国立保健医学研究所が2002年~2007年にかけてフランス国内にある19ヶ所の原発について5km圏内に住む15歳未満の子どもの健康調査の結果を公表している。(ロイター通信)それによると子どもの白血病発症率は他の地域の2倍に上るという。

検査項目は甲状腺異常、白血病と異なっているが、どちらの調査も事故の起きてない「安全」と言われる原発近隣地域の子どもたちを対象としたもの。それでこの発症率の高さである。「原発事故収束」の見通しの全くない、福島の子どもたちはより危険な状況にさらされている。

 

◆東海村
甲状腺超音波検診の実施状況について
http://www.vill.tokai.ibaraki.jp/viewer

 

6月26日

政府は昨日25日、原発事故の賠償資金確保のため、約6662億円の追加支援を決定した。これで政府の支援総額は3兆7893億円に増加したことになる。この追加支援の決定は今回で4回目。この支援額には除染費用は入っておらず、さらに支援額が膨らむのは確実な情勢。国が東電と原子力損害支援機構に割り当てた現金化できる交付国債の発行枠は最大5兆円。残りが約1兆2000億円となり上限に近付いてきた。東電は昨年11月公表した中期経営計画で原発事故の賠償や、除染費用が10兆円を超え、最大5兆円の交付国債枠を突破するとの見方を示し、国に新たな支援枠組めの検討を求めていた。(毎日新聞)

 

7月11日

原子力規制委員会は10日、福島第一原発敷地内で高濃度の放射性汚染水が検出されている問題で、「汚染水の海洋拡散が強く疑われる」として、汚染源の特定と対策を検討する作業部会を近く設置することを決めた。

高濃度の放射性物質検出の経過は以下のとおりである。

(なお、高濃度の汚染水は原発敷地の海から30m以内にある複数の井戸から検出されたもの:数値はすべて1リットル当たり)

 

6月3日

50万ベクレルのトリチウム、1000ベクレルのストロンチウム90を検出。

 

7月2日

ベータ線を出すストロンチウム4300ベクレルの放射性物質を検出。

7月5日 

ベータ線を出すストロンチウム90万ベクレルの放射性物質を検出。

 7月7日

トリチウム60万ベクレルを検出

 

7月9日

9000ベクレルのセシウム134、および1万8000ベクレル、合計2万7千ベクレルを検出

 

7月10日

東電は昨日、検出したセシウム134が1万1000ベクレル、同じくセシウム137が2万2000ベクレル、合計3万3000ベクレルに急上昇したと発表。

 

東電は原因として「2011年4月に汚染水が漏れた際に一部が地中に残留していた」と説明。「環境への有意はみられない」との見解を示している。汚染水は破損した原子炉建屋に地下水が流入し残っている核燃料に水が触れて発生。1日400トンずつ増えている。東電は汚染水を保管するタンクの敷地内に増加している一方、政府は建屋周りの地中の土を凍らせて壁を造り水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」の設置方針を示しているが、効果は不明。

 

7月15日

2011年3月の原発事故以来、福島県内の海水浴場はすべて閉鎖されていた。しかし、去年からいくつかの海水浴場が再開されはじめ、そしてこの夏、新たにいわき市の四倉海水浴場の海開きが15日行われた。3年ぶりである。テレビには歓声を上げて初泳ぎを楽しむ子どもたちの姿が映し出されていたが・・・テレビを観た人はもう放射能汚染問題は終わったのだ、福島は安全なのだと錯覚するかもしれない。

 いわき市の海水浴場再開の判断は間違っている。報道機関の姿勢にも疑問を感じる。何故ならいわき市が行った四倉海水浴場の砂の検査ではセシウム134,137の合計値で3000ベクレル/kgを超える値が検出されているのだ。しかも11日に「放射能汚染水の海洋拡散が疑われる」と原子力規制委員会は強い懸念を示したばかりだった。「メルトダウン」が収束しない限り「安心・安全」のキャンペーンは嘘である。放射能汚染から第一に守らなければならないのは子どもたちだ。政府も自治体も未来を見ていない。

◆四倉海岸における放射能に関する調査結果報告書
http://www.city.iwaki.fukushima.jp

 

 

2014年

 

2月7日

【地下水汚染:ストロンチウム500万ベクレル】

東京電力は6日、福島第一原子力発電所の護岸にある観測用の井戸の一つで、昨年7月に採取した地下水から放射能ストロンチウムが1リットル当たり500万ベクレル検出されたと発表した。これは国の基準の16万倍以上で、これまで公表されてきた地下水の過去最高値(1リットル当たり5100ベクレル)の約1000倍に上った。東電は今回の地下水について、採取直後の昨年7月、ストロンチウムを含む様々な放射性物質の総量(全べータ)を同90万ベクレルと発表していた。その理由を「高濃度の全ベータは測定上限を超えたので、軒並み過小評価していた」と説明。この地下水の実際の全ベータは同1000万ベクレルとの見方を示した。東電はこの約半年間、なぜかストロンチウム単独の濃度は「測定結果が誤っている可能性がある」として公表していなかった。(読売新聞)

 これが事実とすると昨年7月に公表された地下水放射能汚染を示す数値は作為的なものといわざるを得ない。「測定の上限を超えた」とは「測定不能」を意味する。それを「軒並み過小評価する」とした東電はその根拠と基準を示すべきである。

 

月11日

 

時原子力規制委員会は2月6日、東電が発表した「ストロンチウム500万ベクレル判明時期」は最近ではなく、実は「昨年7月の時点で把握していた」と前説明を翻したと発表した。(時事通信)